去勢・避妊手術

去勢および避妊手術のメリットと病気の予防

不妊手術は動物を無秩序に増やさないための最良の方法です。当院での去勢手術は精巣摘出術、避妊手術はお腹の真ん中を切開して子宮卵巣摘出術を行なっています。これにより、繁殖を防ぐだけでなく、去勢手術により、精巣の病気、前立腺の病気、ホルモン由来(肛門周囲腺腫、会陰ヘルニアなど)の病気が防ぐことができます。避妊手術では、子宮の病気(特に子宮蓄膿症)、卵巣の病気、乳腺腫瘍(猫ちゃんの乳腺腫瘍は高い割合で悪性腫瘍です)、ホルモンの病気を防ぐことができます。去勢および避妊手術を行うことで病気の予防ができるため長生きできることも知られています。

避妊手術による病気の予防は子宮卵巣全摘出でないと意味がありません。残念ながら、卵巣だけ摘出する方法(脇腹から切開する方法)、卵管を縛る方法、ホルモン剤注射は繁殖を防げても病気を予防することはできません。当院ではこういった方法は一切行なっていませんし、推奨しておりません。

去勢および避妊手術の唯一の欠点は肥満になることです。手術後の体重管理には気をつけてください。今ではダイエット食の療法食を使って体重を管理することも可能です。

当院では手術に使う糸を極力使用しないため、安全かつ確実な止血のため、手術時間の短縮のため、超音波シーリングを使用しています。極力糸を減らす理由としては、糸のアレルギーなどのリスクを減らすためです。
去勢および避妊手術を細心の注意を払うため、獣医師および看護師の複数人数で構成して行います。以下が主な概要です。もちろん去勢および避妊手術以外の手術も複数人数で構成して行います。

当院の避妊去勢手術の手順

(1)電話で予約

※必ずお電話での手術予約が必要です。

当日は絶食で来院していただきます(飲水は大丈夫です)。
前日までは摂食しても大丈夫です。

 

(2)問診・身体検査

お預かりする際に、問診、身体検査、体温、聴診、便検査を行います。問診および身体検査上で異常がないか確認します

問診・身体検査

 

(3)採血

血液検査(当院では強く推奨しています)

去勢および避妊手術は麻酔薬を使用します。麻酔薬は肝臓および腎臓で代謝されるものが含まれます。血液検査上、肝臓および腎臓に異常があるかどうか確認します。


血液凝固検査(当院では強く推奨しています)

去勢および避妊手術は出血を伴います。わんちゃん、猫ちゃんの中には先天的に止血異常の子たちが少なからず存在します。もし、凝固異常がある場合は止血できない場合があります。そのような危険を事前に知る方法として、血液凝固検査を術前に受けることを推奨しています。

採血

 

(4)レントゲン/超音波検査

当院では既往歴や中年齢以上のわんちゃん、猫ちゃんの去勢避妊手術はレントゲン検査および超音波検査が必要になります。レントゲン検査で心拡大が認められた場合は心臓超音波検査を実施します。画像検査で合併症があるか確認します。

レントゲン/超音波検査

 

(5)酸素室の使用

※短頭種の場合は必須です

短頭種は他の犬種に比べて鼻から気管まで狭く細いため、呼吸が十分にできません。そのため、当院では短頭種の手術は酸素室を使って、酸素を十分補給するようにして、低酸素状態を防止します。手術後も酸素室での管理を行います。

酸素室の使用

 

(6)鎮静剤・吸入麻酔

鎮静処置を行い、鎮静をさせて酸素吸入を行います。
十分鎮静ができたら、麻酔導入剤を注射します。十分に麻酔がかかったら、挿管を行います。
その後、吸入麻酔に切り替えて、心拍数、呼吸数、SpO2などが安定しているか確認します。安定した場合は手術を行います。

 

(7)手術開始

去勢手術(精巣摘出)、避妊手術(子宮卵巣摘出)の所要時間はそれぞれ約30分、約60分かかります。猫ちゃん、わんちゃんの年齢、体重、肥満の程度によって時間が前後する場合があります。当院での手術は獣医師1名から複数、看護師1名以上が関わります。

 

(8)覚醒

吸入麻酔を遮断後、覚醒まで酸素吸入を行い、覚醒が認められたら、抜管します。
十分覚醒するまで獣医師および看護師で観察します。時折、体温を測定して、体温が低ければ保温します。呼吸状態によっては酸素室を利用します。

 

(9)入院

十分に覚醒して時間が経てば入院室に移動します。お返しまでの時間は入院室で管理を行い、獣医師および看護師が管理します。

 


ペットが人間社会において健康かつ快適に暮らすためには、不妊・去勢手術が必要だと考えています。
不妊・去勢手術は動物病院で最も多い手術ですが、基本的であるために決して手を抜くことなく細心の注意を払って、可能な限り安全な手術を行っています。また、当院では院長含め獣医師が四名在籍していますので、すべての手術の助手、麻酔等の管理も獣医師の手で管理して行なっています。

※夜間や休診日は夜間動物病院をご利用ください。
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